凶悪犯罪者バトルロイヤル 第二十六話

「しょーこーしょーこーしょこしょこしょーこーあーさーはーらーしょーこー!!!!」

 ワタルの、叫び声にも似た応援歌が、グラウンドに響き渡る。
 バドラの信徒たちも、声を合わせて熱唱する。

「しょしょしょしょしょしょしょしょしょーこー!!!!」

 関光彦だけ違う歌を歌っている。相変わらず、しょ、が一つ多いが、自分のことを軽んじているようで、本当は誰よりも自分を慕っている彼の気持ちはよく伝わってくる。

 打たなければならない。
 
 500万など、もうどうでもよかった。
 
 ここで打たねば、神の座になど座れはしない。

「来い!俺は必ずや、貴様を打ち砕いてみせる!」

 麻原はカイエンにバットの先を突きつけ、力強く言った。

 麻原の行為に刺激されたカイエンが、怒りに満ちた眼差しを向ける。誇り高いカイエンは、ストレート勝負で来る。間違いなかった。

 カイエンが投球モーションに入った。麻原がそれにシンクロし、タイミングを合わせる。カイエンの指先から、ボールが放たれた。115キロの剛速球が、唸りをあげてストライクゾーンに飛んでくる。

「うおおおおおおおおーーーーっ!」

 麻原が雄叫びを上げた、そのときだった。麻原の胸に、何かが当たった。ボールか?いや、ボールはすでに、キャッチャーミットの中にある。自分は三振したのだ。足元に目をやった。一本の矢が、落ちている。なんだこれは?こんなものが、自分の胸目がけて放たれたのか?

 麻原の命を救ったのは、年甲斐もなく身に着けていた、ペンダントだった。ペンダントの中には、麻原が気に入っているアイドル、中川翔子の写真が収められている。オウム時代は、秋吉久美子が好きだった麻原だったが、俗世に出てから鞍替えしたのだ。
 
「尊師!逃げてください!」

 大久保清の声で、我に返った。
 
 三人の男が、自分を目がけて走ってくる。
 
 悪鬼のような形相・・!自分を、殺しに来ている!

☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

 確かに、矢は麻原のオッサンの心臓に命中したはずだった。
 
 しかし、麻原のオッサンはピンピンしている。
 
 胸に何か仕込んでいたのだ。奇襲は失敗した。

「ど、どうするんですか?宅間さん!」

 金川真大が、宅間守に指示を仰いだ。

 宅間の脳内に天秤が出現する。片方の皿には、自分の命。もう片方の皿には、高慢ちき女の裸体が載っている。二つの欲求が、宅間の中で鬩ぎ合っている。殺るか。殺らぬか。どちらを選ぶべきか?

「・・・・殺るで」

 宅間は、先頭を切って走り出した。
 
 いつだって、そうだった。欲望の赴くまま、目先の利益を手に入れるためだけに、行動してきた。
かつては、自分の命を少しは大切にも思ってきた。事件を起こしたときも、対抗する術を持たぬ小学生を狙った。今は違う。自分は、すでに一度死んだ身。おまけの人生を歩んでいるだけだ。そんなものを後生大事に抱えているなど、馬鹿げている。未練がましい生き方など、クソ食らえや。ワシはいつまでも反逆児らしく・・。カッとなって、やるだけや。

「死ねやぁぁっ!」

 恐怖に身をすくめている麻原目がけて突進した。三十代半ばの男が、麻原を庇うようにして仁王立ちしている。ターゲットを、麻原から男に切り替えた。もうこの際は、誰でもいい。スーツを買う小金を奪えれば、誰を殺したっていいのだ。

「つえィっ!!」

 すれ違いざまに振ったコンバットナイフが、男の脇腹を掠めた。鮮血が垂れ落ちるが、男はまだ戦闘力を残している。金属バットが、宅間の頭めがけてフルスイングされた。間一髪、ダッキングで躱す。体勢が崩れた男の腹部目がけて、ナイフを突き出した。男の腹に吸い込まれるナイフ。さっきとは比べものにならない量の鮮血が溢れ出る。

「清っ!」

 麻原の声が飛ぶ。ほう、貴様は、清というのんか。薄汚れた凶悪犯罪者のくせに、なんとも皮肉な名前やな。生き様の10割が「攻め」のくせに、守、なんて名前をしているワシも、人のことは言えんがな。
 
 あの世に行けや、清。六道輪廻を巡って生まれ変わったときには、今度は自分に相応しい名前を付けてもらうんやぞ。業深きおどれに、相応しい名前を。

「死ねエエい!」

 宅間のとどめの一撃が、大久保清の喉笛を裂いた。視界に色を失い、倒れる大久保清。宅間はすかさず、大久保清のポケットから財布を漁ろうとする。が、そこに、複数人の男たちが割って入った。手にはそれぞれ、金属バットを携えている。ナイフと金属バット・・。殺傷力はこちらが上だが、リーチでは劣っている。野球をしているところを狙ったのは、失敗だったのかもしれない。
 
「知ったことか・・。皆殺しにしてくれるっ!」

 宅間は、血みどろのナイフを、男たちに向けた。



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非公開コメント

マモマモ可愛すぎバックからガンガン犯したい

あれ・・・投稿できた???

昨日からコメント投稿しても「不正な投稿だと判断されました」って出たのでびっくりしました!!!!

No title

>>フムフム草さん

あー不正な投稿云々は気にしないでw
攻撃的な言葉とか、卑猥な言葉を入力すると弾かれるみたいですw
そうした言葉を使いたい場合はひらがな入力でw

うん、絵は同じ形式で載せてください。
見てみたいです。
あ、あと、ちょっと今、政治家を登場人物にした短編ホモ小説を書こうと思ってるんだけど、なんかホモ小説でおススメなのあるかな??できるだけ描写が生々しいのがいいです。
プロフィール

津島 博行

Author:津島 博行
1987年4月3日生 男性
相互リンク歓迎します。

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