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凶悪犯罪者バトルロイヤル 第153話

 加藤智大は、麻原包囲網の第二勢力、角田美代子軍のナンバー2、吉田純子とともに、秋葉原の町を訪れていた。

 吉田純子・・福岡看護士連続殺人事件の主犯。平成10年、看護士として福岡の病院に勤務していた吉田は、看護学校時代の同級生三人を言葉巧みに操り、彼女たち自身の夫など身内を殺害させ、保険金を騙し取った罪で逮捕された。

 かつての知り合いに寄生して金を騙し取り、カスも取れないほど絞りつくすと、今度は殺人のための手足として利用する。その手口は、我が上官である、松永社長と酷似している。その松永社長も九州出身。他の参加者では、バドラと死闘を演じた西口彰や、「九州一のワル」別府湾保険金殺害事件の犯人、荒木虎美も、九州の出身である。

 出身地差別をするつもりはないが、九州という土地が、金銭がらみの凶悪犯罪者のメッカであることは、統計的に明らかである。これは、豪勢な物を好み、見栄っ張りな九州人の気質が関係しているのだろうか。

「加藤くん、気分はどうですか」

 秋葉原に到着した旨を重信さんにメールで送ると、すぐに電話がかかってきた。

「今のところは、大丈夫です・・。平静を保てています」

「わかりました。何かあったら、すぐに電話してください」

「はい・・心配をかけ、申し訳ありません」

 事件から五年。俺も当時の心理状態を、客観的に振り返ることができるようになっている。トラウマの地を訪れても、取り乱すようなことはない。が、まったく平然としていられるわけでもない。不安定な振り子の針が、必死にぐらつきを抑えている状態。それが俺の現状だった。

 「あの街」へ向かえ――。重信さん、松永さんの指示を、俺は初め拒絶した。いくら上官命令だとて、俺が取り返しのつかない過ちを犯してしまったあの街に足を踏み入れるのは、さすがに抵抗があった。

 そんな俺を、二人はこう諭した。

――敵は今後、君のトラウマを利用し、戦地に秋葉原を選び、心理戦を仕掛けてくるかもしれない。早い内に、トラウマを克服しなさい――。

 俺のトラウマが、全体戦略に関わってくる。そう言われては、頑なな態度も解かざるをえなかった。

「へえ~、秋葉原なんてオタクの街だと思ってたけど、結構オシャレな格好している人もいるのね~」

 しかし、同行する相手が、こんなオバサンでは・・。せめてNとでも一緒に行ければ、まだテンションも上がったというのに。まあ、今回の目的は、どうやら負傷したらしい宮崎勤を治療することなのだから、元看護士のこのオバサンと一緒に行くのは当然なのか。俺的には、宮崎などは勝手にくたばっても一向に構わないのだが・・。

「っていうか、こうして二人歩いていると、私たち、デートしているみたいね」

 勘弁してくれ。 

「着きましたよ。このカラオケ屋ですね」

 なんとか吉田のオバサンのトークが全開にならない内に、目的地に到着することができた。あの場所――歩行者天国をあえて避け、わざわざ遠回りをしてここまでやってきたことは、土地鑑のないオバサンには気づかれていないようである。あとはさっさと用事を済ませて、帰るだけ。俺はフロントで自分たちの代金を払い、宮崎のいるブースへ向かった。

 そこには、地獄絵図が広がっていた。部屋中に付着した汚物の中、大事なモノを露出しながら床に横たわり、奇妙なうめき声を上げている宮崎。ソファの上では、そんな部屋の様子に気が付いていない様子の美女が、すやすやと寝息を立てている。一体何をどうしたら、こんなシチュエーションがこの世に現出するのか。さっぱりわからなかった。

「お客様、どうかされましたか・・うっ。なんだ、これは・・・」

 ブースのドアを開けたまま呆然としていると、店員が声をかけてきた。

「すいませんが、処理は私たちに任せてもらえませんか」

 万券10枚をチップに渡すと、店員は、速やかに清掃を行うのを条件に、事を内密にすることを約束してくれた。

「まずは、この人を何とかしないとな・・。おい、宮崎。ちょっと出るぞ」

「あっあっあっ。僕は勝つために明日を捨てたのに、邪魔をするのか」

「うるさい。いいから来い」

 俺は、ごちゃごちゃとわけのわからない言葉を並べ立てる宮崎の手を掴み、トイレへと一時退却した。その間、吉田のオバサンが、あの美女を起こして、部屋から退避させる。抜けるような白い肌に、透き通った瞳。一体宮崎は、どういう経緯であの美女とデートをするに至ったのか。今世紀最大の謎だった。

 しかし、ブースに戻った俺に、さらなる謎が襲い掛かってきた。

「あれ・・なんで」

 ソファで眠っていた美女が、目を覚まして、普通に立っているのである。

「吉田さん、どうなってるんですか」

「いや、私は出ていくように言ったんだけどね。この子が・・・」

 宮崎のクソに塗れたブース内に、絶世の美女。どう見てもそぐわない光景である。しかもその美女は、悪臭漂うこのブースの中で、瞳を輝かせてすらいる。一体、何をどうすれば、こんな光景がこの世に現出するのか?宮崎は、なにか魔法でも使ったのか?

「宮崎さん・・・すごいですね」

「あっあっあっ」

「私のために、くそみそテクニックを再現してくれたんですね」

 瞬間、意識が宇宙を彷徨った。この子はなんだろう。

「私、ずっと見たかったんです。あべたかかずと、道下正樹が、糞塗れでヤリまくる光景を・・あの漫画の続編を・・。これからやってくれるんですよね。さあ、お願いします」

「あっあっあっ」

 ときめくマキのリクエストを受け、宮崎が、痛みが走っているであろうペニスを、床に落ちていた、高名な文化人のパネルに取り付けられていたオナホールに突っ込み、演技を始めた。

「わ~、すごいすご~い」

「あああっ、あああっ、痛いよおっ、痛いよおっ」

 喜ぶマキ。激痛に悶えながら、自慰行為をする宮崎。俺と吉田のオバサンは、意識を宇宙に飛ばされたまま、戻ってこれない。

 なんだ、コイツラは。なにかもう、生まれたことを後悔したい気持ちだった。
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新旧ヲタク対決?
いや違う
加藤はヲタクと呼ばれることを嫌がっていなかったが、
宮崎はヲタクと呼ばれることを嫌がってそのことを書いた本まで出した
宮崎はヲタクグループでも嫌われ者でビデオサークルを破門された
加藤は母親にゲーム規制をされたものの、
ゲーム部屋(友人宅)で友人たちと遊んでいた
自分はヲタクグループにも入れないぼっちだったので
この部分だけは宮崎に同情する
それでもこんなとくしゅせいへきはイヤだが(笑)

No title

>MSKSさん

宮崎勤のあのビデオ部屋は、警察やマスコミの演出だった、て話もありますよね。どうも、オタクが悪いことにすると話は盛り上がるみたいです。今でこそ、そこそこに市民権を得たオタクも、当時はさながら隠れキリシタンのように生きていたんでしょうね・・。

伝えられている事件や犯人像が、実際と大きく異なることはよくあることです。僕も可能な限りは犯罪者の特徴に忠実に書いていきたいとは思いますが、いかんせん、ここまで話が進むと、キャラが勝手に動き出してしまうということもあるのですw宮崎勤などはその最たる例かもしれません・・w

長いこと来れてなくてすみません(>_<)
久しぶりに来たらエライことにww宮崎とマキちゃん意外とお似合いなんです??加藤のメンタルに幸あれ…

No title

>>枇杷さん

久しぶり!コメントありがとうね。

そもそも勤をデートに誘おうと思った時点でマキ先生は何かおかしいんだろう・・wしかし、男としては、世の中すべての女性がマキ先生のようにあるべきとも思うよ!

コメントはたまにでええよ!もっと枇杷さんたち常連さん以外の読者さんからもコメント頂けたらと思うんやけどねえ・・。コメントや拍手や閲覧数など、リアクションをくれない読者様を、けして攻めている(なぜかそう感じてしまう人がいる)わけではないんよね。何かしらリアクションくれないとこっちはやる気が出ないよ、と嘆いているだけのことなんよ・・。
プロフィール

津島 博行

Author:津島 博行
1987年4月3日生 男性
相互リンク歓迎します。

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