凶悪犯罪者バトルロイヤル 第152話

 仰向けの状態で「TENGA」に嵌った宮崎勤の毒魔羅は、激しい痛みを発していた。

「さあ、宮崎くん。毒抜きの始まりだよ」

 ブラックジャックコスの山地くんが、手に握った「TENGA」を、上下に動かし始める。想像を絶する痛みに、僕は叫び声を上げることしかできなかった。

「あっあっあっ。山地くん、どうしてこんなことをするんだっ」

「どうしてって、僕は宮崎くんを治してあげたいだけだよ。ほら、ほら、宮崎くん、声出して。権蔵はこんなに気持ちよさそうだよ」

 見ると、「TENGA」に取り付けられた鬼瓦権蔵のパネルが、腰を8の字にグラインドさせている。僕のうんちに塗れた鬼瓦権蔵が、気持ちよさそうに喘いでいる。ドカジャンに泥棒ひげ、汚らしい権蔵のぐちょぐちょおマンコに、僕の毒魔羅が入っている・・・。

「嫌だあっ。嫌だよおっ。山地くん、抜いてよおっ」

「ダメだよ。だって権蔵は、こんなに気持ちよさそうじゃない。今、宮崎くんの毒魔、あ、間違えた、毒チンチンを抜いたら、権蔵が可愛そうだよ」

「酷いよっ。酷いよっ。山地くんっ!」

「ほらっほらっ、権蔵イっちゃうよっ。権蔵イっちゃうよっ。権蔵、宮崎くんのことが大好きだって言ってるよっ!」

 山地くんが上下左右に動かす鬼瓦権蔵――。そう言われてみると、うんち塗れの鬼瓦権蔵の顔は、微かに赤らみ、感じているように見える。

「ダンカン馬鹿野郎この野郎!じょ~だんじゃないよ!」

 山地くんの物まねは全然似ていなかったが、毒魔羅の痛みに追い詰められている僕の心を蝕むには、十分だった。

 嫌だ――僕の毒魔羅で、この汚らしい鬼瓦権蔵が感じているなんて、そんな気持ち悪いこと、あってたまるか。

「嫌だっ。そんなの、嫌だあっ」

 凄まじい生理的不快感。しかし、ドーピングによって膨張した僕の毒魔羅は、なかなか小さくはなってくれない。絶え間なく襲いくる痛み――いったい僕の毒魔羅は、どうなっているのだろう。

「ったくもう、権蔵はこんなに気持ちよさそうなのに、宮崎くんは気持ちよくないんだね」

 山地くんはようやく、「鬼瓦権蔵TENGA」を外してくれた。「黒ひげ危機一髪」のように僕の毒魔羅からピョンと飛び上がり、離れていった鬼瓦権蔵。その中から、小さな塊が落ちてきた。

「おや。権蔵のおマンコから、何かが出てきたぞ」

 鬼瓦権蔵パネルの陰部――今しがたまで、僕の毒魔羅が嵌っていた「TENGA」から、何かが落ちてきた。テラテラとなまめかしく光る、肌色の物体――キン肉マン消しゴム、いわゆる「キン消し」であった。

「やったね、宮崎くん。宮崎くんと権蔵の子供が産まれたよ」

 僕と鬼瓦権蔵の子供・・・僕の毒魔羅が鬼瓦権蔵のマンコに入って、鬼瓦権蔵に赤ちゃんが出来ちゃった・・そして産まれた子供は、豚鼻にたらこ唇の、どうしようもない不細工だった・・。

「いやだ、いやだ、嫌だよおっ・・」
 
 僕が流した大粒の涙が、床にこびりついた僕のうんちに落ちた。涙で滲む視界の先には、天を向く僕の毒魔羅が見える。真っ赤に爛れて、皮膚が火傷をしたようにベロッとめくれた、僕の毒魔羅が・・。

 もはや、泣きわめく気力もなかった。勝つために明日を捨てるにあたり、魔羅が壊死することは恐れていなかったはずの僕であるが、いざ、死に絶えようとしている現物を目の当たりにすると、さすがに平静ではいられなくなる。

「あっ。もう、バイトに行く時間じゃないか。もう、前もっていってくれれば、今日は休みにしたのに」

 山地くんが、ようやく僕をいたぶるのを辞め、帰り支度を始めた。

「僕たちは、友達だったんじゃないのかっ!」

 最後の希望に縋るように、僕は叫んだ。

「そうさ、友達さ。だから、また今度遊ぼうよ」

 相も変わらずの、少年のような笑顔――。僕をおちょくっているとも、本気で言っているともとれない。僕にこんな酷いことをして、未だに友達でいられると思っている。普通なら考えられないことだが、山地くんなら、本当にそう考えている可能性もある。

 かつてない恐怖。他人をこんなに怖いと思ったのは、生まれて初めてだった。相手が考えていることがわからないというのは、こんなに怖いことなのか。僕も、他人からはこんな風に見えていたのか。

「じゃあね、宮崎くん。毒ひのきの棒には、メンソレータムとかを塗っておくんだよ」

 山地くんは最後まで僕を愚弄して、カラオケボックスを出ていった。

 許さない。僕は山地くんを許さないぞ。絶対に復讐してやる。必ずや山地くんを「肉物体」「骨形態」にして、爺さんと同じように食べてやるんだ。

 しかし、今はひとまず、毒魔羅を襲うこの痛みから逃れるほうが先決であった。ここで命を失っては、復讐どころの話ではないのである。

 無意識に、指が動いていた。僕が困ったときいつも助けてくれる、正義のヒーローのようなあの男を、呼び出そうとしたのである。

「あっあっあっ。地上最強の男は、毒も栄養も等しく食らうことこそが食には肝要だって言ったじゃないかっ!なのになんで、僕の毒魔羅は、グジュグジュになっちゃったんだっ!」

「落ち着いてください、宮崎さん。また何かあったのなら、いつも通り加藤くんを向かわせますので、順を追って話してください」

 正義のヒーロ―松永に、僕は今の惨状を説明した。
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津島 博行

Author:津島 博行
1987年4月3日生 男性
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