凶悪犯罪者バトルロイヤル 第134話

 宮崎勤は、あまりの理不尽への怒りに震えていた。

 くそう、なんで僕がこんな究極の二者択一を迫られなくてはならないんだっ!僕はとりあえず全裸になり、ガンキャノンを勃起させ、PCを使って拡大コピーしたNの少女時代の写真を貫通し、それをぶら下げながら、室内を走り回った。

「ああっ!ああっ!ああっ!」

 続いて僕は、おしりを露出させ、クレヨンしんちゃんの「ケツだけ星人」をやってみた。その光景を全身鏡で見てみたのだが、久々に見る僕の尻には、イボが沢山あったのが衝撃的だった。この汚い尻をマキに舐めさせ、その後、イボを削り取り、それを食べさせたい・・。そう思ったとき、「創作ダンス」のアイデアが浮かんだ。それをマキに見せれば、彼女のハートを鷲掴みにできること請け合いのダンス。今、そのダンスを練習しようかと思ったが、それどころではないことに気づき、やめざるをえなかった。

「ああっ、ああっ!この鏡餅が!このスライムがっ!この、ラードがっ!」

 今の僕にできることは、「創作ダンス」のカギとなるこのデブ腹をたたき、タプンタプンという音を鳴らしつつ、二段腹の隙間部分にじわ~っと染み出した汗を飛ばすことだけだった。

「うるせえぞっ!!!!!」

 とうとう、階下の住人に、怒られてしまった。違うんだ、全部小林のせいなんだ。あいつが悪いんだ・・。こういうとき、僕はどうしたら!

 そうだ・・。松永太。あいつに相談してみよう。困ったときは、あいつに相談してみれば、大抵なんとかなるんだ。それにあいつは、Nの勤め先の社長でもある。きっといいアイデアをくれるに違いない。僕は携帯を取り出し、松永の番号を呼び出した。

「松永です。宮崎さん、どうしました?」

「あっあっあっ・・、くさいうんこが届いて、Nのだったら食べようと思ったんだけど、小林のかもしれないんだっ!ぼっぼっぼっ僕はっ、刃牙みたいに、毒魔羅を作ってSEEDを出そうと思ってたんだけど、小林の野郎が、僕を邪魔しやがったんだっ!」

「落ち着いてください、宮崎さん。一つ一つ整理していきましょう」

「あっあっあっ。Nに、僕のSEEDを注入し、出来上がった子を、おまえにやろうか?」

「まず、先ほど、Nと小林という名前が出ましたが、それは大会参加者の、T・Nと、小林薫のことですか?」

「あっあっあっ。そうだ、そうなんだ」

 松永が、せっかくの僕の好意をスルーしやがったのにはムカついたが、ひとまず、ここはあいつの質問に答えてやるとする。

「そして、小林とNから、排泄物が届いたということですね?」

「そうだ、そうなんだ」

「小林とNは、交際関係にあるということですか?」

「あっあっあっ。それは知らない。だけど、一緒に住んでいるのは間違いないんだっ!」

「・・・なるほど」
 
 松永が、受話口の向こうで、思案を始めた様子が伝わってきた。
 
「宮崎さん。重要な情報の提供、感謝します。お礼に、私の店の健康診断の際に徴収した、Nの検便を差し上げましょう。医師のお墨付き、正真正銘の本物ですよ」

 そういう手もあったか。僕は納得し、電話を切った。松永がなんで喜んだのかはわからないが、そんなことはどうでもいい。僕がやるべきなのは、Nの糞の臭いを想像しながら、右手を股間に伸ばし、ぶら下げたNの少女時代の写真ごと握りしめての陰部摩擦をすることのみである。

          ☆   ☆   ☆   ☆    ☆   ☆   ☆

 T・Nが、小林薫との同棲を始めて、一か月あまりの月日が過ぎた。小林は今では、新聞専売所にて拡張員として働き、入社一か月目ながら、上々の成績を上げているという。出会ったばかりの、差別的な意味ではなく、この世にいてはいけない者の空気を発散させていたころの小林とは、まるきり別人のようだった。

「ただいま」

「おかえり・・って、それ、どうしたの?」

 帰宅した小林が手に持っていたのは、色とりどりの花束である。

「ん?ああ、お前へのプレゼントにな」

「え・・うん。ありがとう」

 私は小林が持ち帰った花を、さっそく花瓶に生けた。いい匂いのする花である。名前は何というのだろう。これから、客からのプレゼントで沢山貰うことになるかもしれないし、それでなくとも女なのだから、花屋で売っているような花の名前くらいは覚えなければ。

「私は、これから仕事だから。卵スープと、野菜炒めの夕食を作っておいたから、食べておいてね」

「ああ。すまんな」

「隠れてお菓子を食べちゃだめよ。ダイエット中なんだから。この前みたいに、ポテトチップスの袋なんて見つけたら、一週間エッチ抜きだからね」

「ああ、わかってるよ」

 思わぬキッカケから始まった同棲生活だが、意外なほどにうまく回っている。いかにも、モテない男が妄想小説で考えたような生活を、現実に送っている私はきっと、まるで男にとって、都合のいい女。

 だが、それでいい。有史以来、女はずっと、男のしもべとして生きてきた。女性優遇どころか、女性上位の今の社会が異常なのだ。しかしだからこそ、男に従順な女の価値が上がる。本当はそれが、史上ずっと繰り返されていた当たり前のこと、自然な姿なのに、その当たり前のことをしているだけで評価される。

 生き馬の目を抜くような水商売の世界でのし上がるには、女のプライドは不可欠である。しかし、最後に勝つのは、くだらない女のプライドを捨てた者だ。現在、中間発表の時点での私の月間ランキングは、女王リノに僅かな差をつけての1位。もう、私は「最後の勝負」の舞台にまで立っているのだ。

 その最後の勝負に勝つためにも、私は小林との同棲を続ける。男にとって都合のいい女。それを学んでやる。男に媚びて金を得る、そのためだけに特化した女となるために。妙な理屈なようだが、私は本気だった。

 決意を新たに出勤しようと、玄関のカギを開けて外に出ると、そこにAが立っていた。

「やあ、Nちゃん」

「え?どうしたんですか。今日は送り迎えは、頼んでないですよ」

「今日はそれで来たんやないよ」

 何か、嫌な予感がする。私は慌ててドアを閉め、リビングの小林のもとへと走った。

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ボディラインにフィットした訓練兵団服姿のマキ先生(;´Д`)ハァハァ

ケツだけ星人と松永氏のスルースキルにクソワロタwww
宮崎パートだと常識人に見えるよね彼…。
そしてNちゃんと小林さん超逃げて!

感想です

女王リノって、指原が元ネタですか?(*^_^*)さしはらふぁんなのでここで名前みるとちょっと嬉しいです笑




Nと小林の関係が好きです。Nはしたたかかわいい。ほみかとは別の魅力がありますね。ほみかの魅力は知力を持てないこととセットの無垢と純粋、よわさ。Nは、ちょっとずるくてたくましくて強い。でも強くなりたい理由は「生きていて、ありがとう」って言われたい、それっていつかだれかに愛されて愛したいからなんですよね。かわいい。あと、小林は不器用だけど、優しいですよね。花をプレゼントなんてされたら、きゅんとなるなぁ。




Nは、あたしの中で、後藤真紀か佐々木希のイメージです。つんとした猫っぽい美人かなぁと。



ところで、お願いしたいな、と思うことがあるのですが…



津島さんの書いた恋愛小説、読んでみたいです!いつか、短編でいいので…だめですか?新堂冬樹の白新堂みたいに、白津島さんな小説も読んでみたいです。




津島さんの恋愛感情を書いた文章が、すごくすごく好きなんです。綺麗で純粋な詩みたい。津島さんの人を本気で好きになる力がすごいと思うんです。ノワール小説を書く才能と純愛小説を書く才能って、表裏一体なんじゃないかなっておもうんです。激しい憎しみがあるから、ノワールが書けるし、激しく憎むのは激しく愛して、傷ついたりするからですよね。才能あるとおもうんです、津島さん。


気が向いたら、お願いします*

松永の偽葬式思い出したw
この世界のしたたかなNちゃんには通用しない手口だろうけど
本物のNちゃんはアホなイメージがあるが
あの時はまだ子供だったからか

No title

>>あやかさん

白い感情と黒い感情が表裏一体とは、新堂冬樹も言っていることだよね。彼女が出来た今、実感として確かにそれはわかるかなあ。

恋愛小説かあ・・。あんまりその手のものは読んだことがないんだよね。白新堂はいくつか読んだんだけど、恋愛じゃなくて動物愛をテーマにした作品だったんだ。書くにしても、どうやって書いたらいいものか・・。もしかしてあえて人の作品を参考にしない方がいいんだろうか。

基本的には、暗黒小説を書いていきたいと思っているんだけど、自分にどんな適正があるかはわからないし、世の中のニーズとかもわからないから、いつかは書く機会も訪れるかもしれんね。そのときに備え「バトルロイヤル」の方で少しは練習できたら、と思います。

>>鈴香ファンさん

松永の偽葬式は文章や漫画で見るとちょっとシュールで吹きますよねw幼少期のNちゃんは例の誤字のイメージのせいか、ちょっと抜けた印象はありますねw文章全体的に、小学生が精いっぱい背のびして書いたという感じがして実に可愛らしいです。

No title

>>OKBさん

返事遅れてごめんや~。
土曜日の時点でコメント確認したので、なんか返した気になってたんや~。

宮崎さんが松永さんよりおかしいというよりも、おかしいのベクトルが違うんやないかな?いや、やっぱり宮崎さんのほうがおかしいかも・・ww

マキ先生には僕はハアハアできんのや。あそこまで美しいと、もう芸術作品を見ているようでね。同じ人間だと思えないから、性の対象にもできんのや。
プロフィール

津島 博行

Author:津島 博行
1987年4月3日生 男性
相互リンク歓迎します。

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