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2021年 近況とこれから


 今年もこちらの方を更新していくにあたり、少し自分のことを話そうと思います。

 昨年に更新を再開した際にもお話しましたが、今現在は小説の執筆に費やす時間は減らし、自分の趣味の時間を増やしています。今年の秋からは、特にアウトドアに精を出していました。

 原稿に向かう時間はめっきり減ってしまいましたが、小説の執筆を最優先に考えるというスタイルでは6年以上もやってダメだったのですから、少し視野を広げてみるのも一興ではないかと思っています。キャンプや海釣りといったアウトドアはとにかく面白く、まだまだ世の中には自分の知らない楽しいことが色々あるのだと新鮮な気持ちです。

 仕事は順調に行っています。給料は低いですがそれに見合った内容で、激務や時間外労働はほとんどありません。休みも取りやすく、歳を取って体力が落ちても続けられそうです。何より大切な人間関係もまずまず。失敗にも寛容で、資格取得の支援も充実しており、やる気のある者は評価してくれるという環境です。

 一生をこのまま過ごすことにも不満はありません。そもそも私が小説を書き始めたのは、「偽善の国のアリス」時代の専門学校を出てから就職に失敗し、自分にはもう正社員になるチャンスはなく、まともな道では生きていけないと思ったからでしたが、いまの私は普通の会社で、正社員として普通に生きています。これしかないという悲壮感を持って小説を書く必要はなくなりました。20代までは濃厚にあった自己顕示欲的なものも薄れており、その他大勢であることを受け入れて生きることに疑問もなくなりました。

 いわば低位安定した今の生活に、なんら不満はありません。しかし、この平和な日々は、どこか生きている実感に乏しいことも事実ではあります。収入的にも、これ以上を諦めるにはまだ私の年齢は若いということもある。

 やはり私は書き続けたい。まともに生きる道を見つけたからといって、書くことを辞める必要はないし、生き方を変えたからこそ、書く上において大切なものが見えてくることも必ずある。

 比重は少し変わりましたが、自分の道の先にはまだ、書くことで生きていくという目標があります。自分の中に抱えたモヤモヤしたもの、マグマのようなドロドロとしたものを吐き出す手段は、書くことでしかありえません。

 マグマの正体もはっきりわかっていて、それはやはり「キレイゴト」に対する怒り、抵抗感というものだと思っています。ブログに私小説を二本アップしていますが、「偽善の国のアリス」はもとより、施設警備員時代に出会った折茂もことあるごとに「愛、友情」「絆」「この出会いは宝物」のようなことを口に出して言う男だった。

 本当に幸せを噛みしめている人間は、それをわざわざ口に出したりはしません。やたらめたらにキレイごとを口走るのは、なにか後ろめたいことがある人間、そのことに100%の自信がない人間だけ。

 最悪なのは、それに納得できていない人間を無理にキレイごとに丸め込もうとする行為で、それをされた人間は歪みます。罵倒を受けっぱなしならどこかで爆発して収まりますが(刑務所には入りますが)キレイごとで丸め込まれた人間は拳の振り上げどころもなく、ずっとモヤモヤとした不快な気持ちが燻り続けます。

 思い返せば、人に迷惑をかけることの多い前半生でした。親はまだしも、クラスメイトなどに対しても平気で酷いことをしてきました。若いということを言い訳にするのは簡単ですが、被害者の立場に立ってみれば、存在自体が害悪のような人間であったことは否定できません。そしてその通り、私は自業自得の冴えない青春を送りました。

 私という人間を鑑みますに、やはりどこかで痛い目をみるということは必要だったでしょう。何かの間違いであのまま私が充実した青春を送り、今ごろ高給取りにでもなっていたら、後ろめたさから常日頃「キレイごと」を言う人間になっていたに違いありません。あるいはこの期に及んでも己の過ちに気付かず、平気で人の好意を踏みにじり続けるとんでもない人間になっていたかもしれません。

 ただ、それにしても「警備員時代」と「偽善の国のアリス時代」に起きたことはいささか理不尽であり、折茂程度の男に洗脳されかけ、神山程度の女に侮辱を受けたのは、まったく災厄としか言いようのないことでした。社会というものに必要以上の不信感を抱き、引きこもることになってしまった、そのキッカケを作った出来事でした。

 自分自身も心の闇と戦っていた折茂に対しては恐怖はあっても恨みはないのですが、イケメンを吟味するだけの余裕がありながら、面白半分で私を侮辱してきた神山に対してはいまだに憎しみを抱き続けています。

 私自身に反省するところがなかったかといえば、それは大いにあります。もちろん、神山に対してではありません。

 そもそも神山に出会うよりも前の中学、高校時代には私自身が私に好意を寄せてくれた子に対して同じことをしていました。結局、のちに自分自身が容姿に拘らなくなったときに、そのときのことを後悔する羽目になりました。

 市橋達也の言うように、もっとはやく人に対しての感謝の気持ち、謙虚さというものを身に着けていれば、少なくとも女方面に関してはマシな青春を送れたでしょう。

 散々に人を傷つけ、自分自身チャンスを逃しながら、しかしそれでも、私は普通に女と付き合うことができ、結婚もちゃんとできた。だから、べつに神山という一人の女を本気で殺したいと思う必要はもうないのではないか。

 私が憎むのは、先に失礼なことをやってきたのは神山の方だったという前後関係を無視して悪いのは一方的に私の方だということにされ、何やかやも含めて、すべてキレイごとで丸め込もうとされたこと。私の中でまったく宝物ではないあんな連中との出会いを宝物のように思えというようなクソまみれのことを言われたあのときの不快な感覚は、忘れたくても忘れることはできません。

 恥多き己の若い頃を反省するにしても、あれほどの屈辱を受けたのではどこかひねくれてしまうのは仕方のないことです。記憶の中にある私は、高校の後半あたりですでに反省する方向に行っていた。因果応報といっても子供のころのことで、成人になってからあれほどの思いをしなくても良かった。若い頃の私が歪んでいたとしても、折茂や神山との出会いは完全に余計だった。

 どうしようもない自分への絶望と、それでも許せないヤツへの怒りと、運命への憎しみと、世の中への恨み。それを昇華させる手段はやはり書くことでしかありません。

 ただ、これまでは少し「己」が出過ぎてしまったことは反省し、客観的な読者の目に耐えられる、本当の「作品」を書いていきたいと思っています。

 その上でも最低限拘っていきたいのは、自分のルーツでもある人生八方ふさがりの人間をテーマにしていくこと、犯罪の描写を必ず入れること。

 子どものころから物語を書くのが大好きだというような人に比べ、私は創作という行為がそこまで好きというわけではありません。私が書く動機は、ただ自分の抱えたどうしようもないものを吐き出したいから。突然、作風をまったく違うものに変えたりといった器用なことはやろうと思っても不可能であり、自分と重なるところがまったくない人間のことを書きたいとも思えません。やはり私は犯罪や底辺を書くしかない。

 犯罪ということをテーマにするにあたって、実際に起きた事件を分析する犯罪者名鑑の方も続けていきたいと思います。これまでは私自身がもっとも多感な時期に起きた90年代後半~00年代の事件を取り上げていきましたが、時代の変化に合わせ、ここ10年ほどに起きた事件なども取り上げていきたいと思っています。

 直近の予定としましては、「犯罪者名鑑 北九州監禁殺人事件」「party people」、これを今年のGWを目途に完結させます。その二つは何が何でもやり遂げます。その後に関しては、現時点では未定となっています。

 こちらの運営を続けていくにあたり重視するのはやはりコメントになります。ブログを運営した経験のない方も少し考えてもらえばわかると思うのですが、読者からのリアクションが返ってこないのでは、人目に触れる場所で執筆をする意味がまったくありません。

 いまのところ記事を更新すれば少なくとも二つはコメントが入り、過去記事にも度々コメントを貰えるという状況ですが、これくらいであれば何とか運営を続けることはできると思います。この状況を続けられるよう、私も精進していきたいと思います。

 寒い季節に入り、アウトドアはオフシーズンとなりましたが、資格の勉強や部屋の片付けなどやることは沢山あります。時間をやり繰りし、執筆の方を続けていきたいと思います。

 今年もよろしくお願いいたします。

 
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No title

明けましておめでとうございます。
小説や映画でも明るく楽しい作品よりも歪んだ人間や心の闇を描いた作品の方が面白いです。
partypeopleと犯罪者名鑑楽しみにしています。
最近起きた事件の分析も興味深いです。
今年もよろしくお願いします。

No title

seasky さん

明けましておめでとうございます。
これから少しペースをあげて、月2回くらい更新していこうと思います。
よろしくお願いします。

No title

こんにちは
こちらのブログは深く掘り下げた犯人自身の生涯だったり筆者様の犯人の心理に関する考察や解説など勉強になることも多くいつも楽しく読んでいます
私もどちらかと言えば平均より犯罪者や底辺に近い人間なので時に彼らを身近に感じてしまうこともあり世間の常識や不条理に対する心の支えとしての励みになってます
私は大したコメントは書けないですがこれからも応援していきますのでよろしくお願いいたします

No title

からあげ実 さん

犯罪者といっても一人の人間なので事件を起こすには必ず人間らしい、それもわかりやすすぎるほどの動機があります。そういう意味で昨年、秋葉原事件に関してまた考えるキッカケをもらったのはよかったですね。犯人に「何があったのか」ではなく「何がなかったのか」を分析するのも大事なことだと思います。
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