FC2ブログ

犯罪者名鑑 市橋達也 1

いちはしあ


 エリート一家


 市橋達也は1979年、医師の父親と歯科医の母の間に生まれました。

 経済的には何不自由ない家庭で育った市橋は、高校時代までは成績優秀で、180㎝の身長を活かしてバスケットボール部や陸上部でも活躍し、クラスでも人気者だったようです。

 誰もが羨むような人生を歩むはずだった市橋ですが、高校三年時、医学部を受験して失敗し、初めての挫折を経験。4浪するも医学部には合格できず、結局、千葉大学園芸学部に進学します。

 不景気真っ只中の2000年代前半という時代でも就職に困る経歴ではなかったはずですが、医学部を目指していた市橋にはプライドがあったのか、単に働きたくなかったのか、卒業後の市橋は就職をせず、海外留学を目指すと言って、マンションで一人暮らしをしながら英会話の学習を始めるようになります。

 親から月に12万円の仕送りを貰ってアルバイトはせず、すべての時間を勉強に費やせる環境にあったはずですが、市橋の勉強は遅々として進まず、海外の大学院の受験には失敗。父親からは仕送りをやめると通告されていました。

 同じ医学の道を志していたことからも、市橋は親に反発するタイプではなかったのでしょう。都心に近いマンションで暮らしながら将来を夢見る優雅な生活をやめさせられることになった市橋は焦っていました。

itihasiii.jpg



 リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件


 もともと市橋はかなりの外国人女性好きで、大学時代も、外国人女性と交流の持てるサークルに所属していました。彼が海外留学を夢見ていた動機の多くの部分は、女性方面の欲求を叶えるためだったのでしょう。

 事件当時、市橋には交際していた日本人女性がいたようですが、どうしても外国人女性と付き合いたかった市橋は、たまたま電車内で見かけた若い白人女性に目をつけます。

 イギリス出身、22歳のリンゼイ・アン・ホーカーさんは、友人とルームシェアをしながら英会話教室の講師をしていました。仕事からの帰宅途中、電車内で近寄ってきた市橋に、いきなり「以前、お宅の洗濯機を取り付けた者です」などと声をかけられ、無視しようとするも、「喉が渇いたので、家で水を飲ませて欲しい」と頼まれたのを断ることができず自宅マンションにあげ、そこで一方的に市橋の携帯番号の書かれたメモを渡され、連絡先の交換まで持ち込まれてしまいます。

 強引な市橋に押し切られるような形で、リンゼイさんは市橋に有料の個人レッスンを行うことになってしまいました。

 そして事件当日。突然言い寄ってきた強引な男に、もちろん警戒はしていましたが、日本人を信じてもいたリンゼイさんは、喫茶店で行われた授業の後、市橋に「レッスン料を忘れたので、家まで付いてきて欲しい」と言われ、市橋の部屋に上がってしまいました。

 これで心を許したと思ったのか、市橋はリンゼイさんに肉体関係を迫りますが、敢え無く抵抗されてしまいます。しかし、それで諦めなかった市橋は、リンゼイさんの手足を結束バンドで縛り、強姦に及びました。
 
 事件の発覚を恐れた市橋は、レイプ後、拘束したリンゼイさんを浴室から取り外した浴槽の中に監禁します。レイプから殺害までには16時間あまりが経過しており、この間、二人の間でどんなやり取りがあったのかはわかりませんが、結果として市橋は、監禁したリンゼイさんを首を絞めて殺害。裁判の中で、市橋はリンゼイさんへの殺意を否認し、「騒がれたため、口を塞ごうとしたところ、誤って絞殺してしまった」と主張しましたが、判決では殺意が認められることになりました。

 リンゼイさんが友人とシェアするマンションでは、リンゼイさんが不審な男に言い寄られた直後に帰宅せず、連絡も取れなくなったことを心配した友人が警察に通報。市橋がリンゼイさんに渡していた連絡先のメモ書きから、警察はすぐに市橋がリンゼイさん失踪に関与していると判断、市橋の自宅に向かいました。

itihaaaasi.jpg



 逃走

 千葉県市川市のマンションに住んでいた市橋達也は、3月26日の21~22時ごろ、外出しようと玄関を出たところを、複数の私服警官に取り囲まれました。

 警察官から、リンゼイ・アン・ホーカーさんについて何か知らないかと聞かれた市橋は、警察官を振り切り、マンションの敷地外へと逃走していきました。

 警察官は慌てて追いかけましたが、元陸上部員の市橋を捕まえることができません。逃げる途中で靴と靴下が脱げていましたが、市橋は足を血だらけにしながら、無我夢中で逃走を続けました。

 俊足を誇る市橋ですが、体力からいっても、すぐに現場を離れられるわけではありません。逃走後、しばらく付近の民家に潜伏していた市橋は、たまたまドアを開けて出てきた住民に「ヤクザに追われている。かくまって欲しい」と頼みます。

 このとき住民が市橋の頼みを聞いていればおそらく捕まったでしょうが、「そんなことはできない」と断られた市橋は、途中、ゴミ箱から拾ったジャンパーとサンダルを身に着けて姿を変え、尚も逃走を続けます。

 最寄駅である行徳駅にはもう警察が張っていると判断した市橋は、交際していた女性に電話をかけ、車での逃走を考えますが、彼女の携帯は通話中になっていました。

 もう彼女のところにも警察が行っているかもしれない。それでなくとも、警察はNシステムから車のナンバーを照会し、すぐに追ってくるだろう。結果はおそらく市橋の予想した通りになったはずで、このとき彼女とたまたま連絡がつかなかったのは、市橋にとっては幸運でした。

 市橋は彼女を連れて逃走するのを諦め、途中で見つけた鍵のついていない自転車に乗って逃走します。買い物をするときに怪しまれないようにするためか、現金だけを抜いて財布は川に投げ捨てました。

 警察が犯人を取り逃がすときには必ず犯人にとっての幸運、警察にとっての不運が重なるものですが、このとき「たまたま」車を持つ彼女と連絡が取れず、「たまたま」逃走用の自転車を手に入れられた市橋はツキにツイていました。足を手に入れた市橋は闇雲に自転車を走らせ、住宅街の中に駅をみつけると、自転車を捨てて電車に乗り込みました。

 2年7か月に及ぶ逃走劇はここから始まったのです。

 主のいなくなった部屋では、ベランダに置かれた浴槽の中から、前屈姿勢でガーデニング用の土に埋められているリンゼイさんの遺体が発見されました。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

No title

市橋の高校時代は完全にリア充ですよね。
スクールカーストで言えば上位グループに属していたと思います。
転機となるのは医学部受験でしょうね。
市橋は難関大の医学部を目指していたのでしょうか。
千葉大学は妥協して入学したのでしょうが本人としては不本意だったと思います。
市橋は日本人女性よりも外国人女性が好きだったのですね。
女性に対して積極的で強引さもありモテるタイプだと思います。
元陸上部員の経験が逃走の役に立つことになったのですね。
逃走後すぐに捕まりそうな場面は何度もあったのですね。
市橋は逃走する運命だったのかもしれません。

No title

seaskyさん

 医学部受験失敗、浪人で4年の歳月を空費したことで、本人はこんなはずではなかったと思っていたでしょうが、それでもあんな事件さえ起こさなければ普通以上の人生は歩めたでしょうね。

 市橋が現場から逃げおおせるまでにも数々の奇跡が存在し、また逃げおおせた時点で長期間逃亡生活を送れることは七割方確定していました。

 最後の最後で犯したミステイクさえなければ、市橋はいまごろシャバで暮らしていたかもしれません。

No title

この事件も映画化までされるほど話題になりましたね。ドラマチックな逃避行や、市橋やリンゼイさん等、登場人物が揃って美形なこともあってか、かなり物語性の高い事件になった印象です。

この事件を起こす前の市橋はどんな思いで生活してきたのでしょうか。恐らく半分死んでいるような感じかもしれません。

No title

GGIさん

 この後の市橋の逃避行ですが、一風変わったロードムービーのようで確かに面白いです。また、ここからの彼は坊ちゃん育ちで、27歳まで働いたことのない男とは信じられないほど生命力に満ち溢れていて、市橋の人生はこの3年余りの時を過ごすためにあったのではないかと思うほどなんですよね。
プロフィール

asdlkj43

Author:asdlkj43

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
最新コメント
最新記事
凶悪犯罪者バトルロイヤル
凶悪犯罪者バトルロイヤル
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR