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京都アニメーション放火殺人事件

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 当ブログでは主に1990年代から2010年代にかけて起きた事件について記事を書いておりましたが、当然ながら世の中ではそれからも多くの事件が起こっています。

 このブログを離れている時期に起きた事件で一番衝撃度が高いのは、やはり池袋の母娘死傷事故と京都アニメーションの放火事件でしょうか。

 社会的地位では対照的な二人の人物により引き起こされた悲惨な事件ですが、私が何か書くとすれば後者の方になると思います。

 容疑者の青葉真司は身寄りもなく、精神疾患を抱えており、かつての宅間守や加藤智大と似た状況にありました。社会では、今後人生において失うもののない「無敵の人」が増えこそすれ減ることはない、無敵の人に対する社会的な対策が急務である、という黒子のバスケ事件の犯人、渡辺博史の言葉は生き続けていることが、結果として証明されてしまいました。

 有史以来、人間の命をもっとも奪ったものが毒と火になると思われますが、火というのは便利な反面本当に怖い。本人も大やけどを負いましたが、大阪池田小事件や秋葉原事件を遥かに超える犠牲者を出したことで、ガソリンが刃物よりも殺傷力があることがわかりました。

 被害者の方にはご冥福をお祈り申し上げる一方、この事件で私が感心したのは、事件が起きた直後、犯人に対し、「死にたいなら他人を巻き込まずに、一人で勝手に死ね」というコメントを控えるべきだ、という論調が、メディアやSNSの中で起こったことでした。

 私もかつては事件を起こすあと一歩まで追い詰められていた人間としてよくわかりますが、実際問題、その手の正論というものは言った人間が気持ちよくなるだけで、言われた方には心のダメージにしかなりません。

 「死にたいなら一人で死ね」と言われ、本当にひとりで死ぬよりは、そう願う相手になるべく痛みを与えてから死のう。そう考えるのが、犯罪的傾向のある人間というものです。善悪を抜きにして、それが現実です。

 自分自身は経済的精神的に追い詰められてはおらず、犯罪を起こそうという気がなくとも、類似の事件を調べ、加害者の研究を丹念に行っていれば、それはわかることだと思います。

 まさに、過去の無差別殺傷事件の教訓であり、「死にたいなら一人で死ね」論に抑制をかけ、「死んでいい人なんか一人もいない、みんな必要なんだ」を初めに言い出した人、また広めるように努めたマスコミ、拡散に努めたSNSユーザたちに、私は拍手を送りたいと思っています。

 前回、世の中の就職状況は一時よりも良くなっている気がすると書きましたが、派遣や非正規という働き方も健在で、まだまだ格差はあり、安定にはほど遠い世の中ではあると思います。仕事や収入だけでなく、異性など交友関係でも格差はあります。

 「死ぬなら一人で死ね」ではなく、「死んでいい人なんて一人もいない、みんな必要なんだ」、という呼びかけがされるようになってきたのは一歩前進です。今度は社会のシステムが整備され、実が伴うようになれば、こうした「無敵の人」による事件も起きなくなるでしょうが、そんな日は訪れるのでしょうか。
 
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No title

京都アニメーションの放火事件は過去の無差別殺傷事件と比べても相当な被害があった事件でしたね。
青葉真司が入院して看護されている時に今までこんなに人から優しくされたことがなかったと言っていたのが印象的でした。
過酷な人生を送らざるを得なかった人の気持ちは同じ立場になったことがない人には分からないものだと思います。
死にたいなら一人で死ねという考え方は無敵の人をますます追い詰める結果になるということに気付いて欲しいですね。
無敵の人が増えていく社会でどうすれば追い詰められた人が犯罪を思い止まることが出来るようになるかを考えることが大事ですね。

ここ数年で世間に衝撃を与えたのは、相模原の障害者施設殺人事件、京都アニメーション放火殺人事件でしたね。特にサブカル関連の事件だったこともあり、ネットニュースは大いに盛り上がりました。
犯人の青葉真司は入院先の病院でお気に入りの看護師に対して「こんなに優しくしてもらったことはなかった」と述べていたそうです。なんだかやるせない気持ちになりました。無論青葉のしたことは許されざることですが、それだけで青葉の人生が見えてくる気がします。この青葉や植松聖、川崎通り魔事件の岩崎隆一など、本来は事件を起こすような人物ではないような人たちが犯罪を犯してしまう。それだけ追い詰められる要因があると思うんです。

No title

seasky さん

文字通り桁の違う数が犠牲になったことで火の恐ろしさがわかりましたね。今回、死にたいなら一人で死ね論に待ったをかける動きが出てきたことはよかったと思います。この手の事件で加害者を責め立てすぎるのは第二、第三の事件を生むことになると世間の理解が広まってきたということですね。

No title

GGIさん

 青葉が宅間のように最後まで反省せずに死んでいくのか、人らしい心を取り戻して反省の弁を口にするようになるのかは見どころですね。
 青葉にしても岩崎にしても家庭環境なんですよね。本当、ここが歪むと、すべてが歪んでいく。
 酒鬼薔薇や宅間のように、客観的に見てそれほど問題があるとは思えない親が毒親扱いされることもありますが青葉と岩崎はやはり幼少期の環境が良くなかったですね。
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