FC2ブログ

生きている実感

itihasi.png

 早いもので今月も半分が過ぎようとしています。

 ちょっと気合の入った記事を書きたかったのですが、また日記の形になりそうです。

 早いといえば、このブログを開設してから間もなく7年の月日が経とうとしています。振り返れば当時は己の人生に絶望し、小説家になれなければ恨みのある人物に思い知らせて自分も死ぬしかないというところまで追い詰められていましたが、結果的にはいま現在、こうしてまっとうに職に得て生きていくことができています。

 結婚もして親もとから離れ、健康良好、ギャンブルや薬物など、生活が崩壊するようなヤバい趣味もない。ブログを開設した当時からは考えられないほど、いまの私は「普通」に生きています。

 26歳~32歳という年齢はまだ若く、やり直しの十分に利く年齢であるということだったと思います。これがあと5年遅ければ、そう簡単にはいかなかったでしょう。ただ、5年遅ければそもそもあれほど荒れることもなく、小説家を目指すということもしていなかったでしょうが・・。

 思い返せば、どうにもならないことも多かった人生でしたが、チャンスを棒に振ったことも多かった人生でした。勉強にしても、成人してからそれなりに世間で評価される資格が取れるなら、中学生のころから真剣にやっていれば名の知れた大学に行けたかもしれない。交友関係が充実していた時期もあった。女性方面にしても、これで中学、高校のころには、幾人かの女子に好意を寄せられることがあったのです。

 もっと充実した人生を送るチャンスを逃し、軌道修正に時間がかかってしまった原因を自分なりに分析すれば、人を思いやる気持ちが足りなかったというところに落ち着きます。例の女のような差別意識に満ち、こちらに言いたい放題言ってきた人間に配慮する必要はないと思っていますが、こちらを悪からず思ってくれた相手に、後ろ足で泥を引っ掛けるような態度ばかり取ってきたのはつくづく悔やまれます。

 市橋達也は手記の中で、「感謝」という気持ちを知っていれば、あんな事件は起こさなかっただろうと語っていました。彼が事件を起こしたのは27歳、加藤智大が秋葉原にトラックで突っ込んだのは26歳。この辺の年齢で気づけるかどうかが、人の道を踏み外すか、踏みとどまるかの境になるのかもしれません。同じように、人の気持ちを理解できない側の人間でありながら、彼らは一線を越え、私は踏みとどまれた。ほんの紙一重の、際どい差で、私は彼らとは別の空間で生きています。

 今の暮らしは穏やかですが、どこかで、働いたり働かなかったりしながら、小説家を目指して、日々文量をこなしていたあの時期のことを懐かしく思います。

 市橋達也は約3年あまりの逃亡期間、苦労苦労の連続だったでしょうが、それでも私は、あのときの彼には、生きている実感があったと思うのです。27年の間、死んだように生きていた彼が、唯一自分の生を実感できたのが、西日本各地を放浪し、お遍路参りもし、飯場労働もしたあの3年間ではなかったかと、私には思えてならないのです。

 学業、就職、友人、結婚、家庭という暮らしの中にはどうしても生きている実感を見出せず、隙あらば非日常に戻ろうとしてしまう人間はいると思う。というか、人の本質がそうなのかもしれないとも思っています。

 今の会社をもちろん簡単にやめるつもりはありませんが、しかし、完全にあの会社の人間になるということは、私にはできないと思う。今の私は生きてはいるが、活きてはいない。私はやはり、頭の動く限り書き続けなくてはならない。

 これが正解なのかわからない。時間を無駄にしているだけかもしれない。それでも、昔よりペースはずっと落ちても、私は書き続けていたいと思う。

 
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

No title

20代後半が人生の分岐点になるのでしょうね。
市橋や加藤も親身になってくれて優しくしてくれる人と事件前に出会えていればもしかしたら犯罪者になっていなかったかもしれません。
根っからの悪人もいますが多くの犯罪者は環境面の影響が大きいと思います。
市橋の逃亡生活は凄いですね。
まさにサバイバルですね。
今の刑務所生活は生きている実感は薄いでしょうね。
同じ人生でも生きている実感を得る生活の方が良いですよね。

物事は表裏一体と言うか、物事には必ず原因があると言うか。
市橋や加藤に限らず、全ての犯罪者に言えることです。

ギリギリで追い詰められた人間はそうしたことを考えがちです。それで一線を踏み越えるかが、人として生きるポイントでしょうか。

 「今の私は生きてはいるが、活きてはいない。」というのは的確な表現だと思いました。 
 善悪は別として

申し訳ありません。途中で送信しました。
 「今の私は生きてはいるが、活きてはいない。」というのは優れた表現だと思いました。
 善悪は別として犯罪を犯した事で充実感を得た事例はあるのでしょうね。麻原なども教祖の時はある意味、輝いていました。 このサイトを知ったのは「凶悪犯罪者バトルロイヤル」を読んだからですが、一言では言い表せない斬新さと躍動感がありました。またあの時の様な作品を作って下さる事を願っています。

No title

seaskyさん

市橋の手記は拙い文章ですがかなりドラマチックで読み応えはありました。映画をまだ見ていないので今度観てみたいですね。
加藤の死刑はそろそろかな。市橋は両親が生きていれば60歳くらいで出てくる可能性は一応ありますね。

No title

GGIさん

人生の中には何度かあちら側に行くかどうかの瀬戸際があって、塀の外にいる人間は何らかの理由によって踏みとどまっている。
では線を越えてしまった人間はなぜそうなったのか。自分が順風満帆な人生とはいかなかったのはそれを思考するためだったと考えられるような、そんな結果になればいいと思っています。

No title

テュールさん

 人を殺して刑務所に入ること自体がほとんどすべての人間が経験しないことですが、その上に3年間の逃亡生活は言い表せないくらいの実感があったでしょうね。
 凶悪犯罪者バトルロイヤルは完結に導けなかったことが本当に心残りです。今書いている応募用の官能小説が片付いたらpartypeopleの続きをこちらで書いていこうと思っています。
プロフィール

asdlkj43

Author:asdlkj43

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
最新コメント
最新記事
凶悪犯罪者バトルロイヤル
凶悪犯罪者バトルロイヤル
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR