サイト開設当初から 考え方の変化 3

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 今回は考え方が変化した点と反対に、開設当初からまったく変わっていない点について書きたいと思います。

 私はサイトを開設したころから今までずっと、執筆に臨むにおいて、常に明日のデビュー、明日有名になることを願って書いてきました。

 私の考えをよりわかりやすく説明するために、デビュー前の経歴が定かではない小説家ではなく、経歴がわかりやすいプロ野球選手を例に挙げたいと思います。

 プロ野球選手は、高卒の野手でいえば、大体6年目、7年目の、24,5歳くらいまでに一軍に定着し、選手としてもっとも脂が乗る27,8歳くらいまでにレギュラーとして活躍できれば、順調な成長曲線だと言われています。

 その順調な成長曲線を辿った選手を、仮にA選手としますが、24,5歳から一軍に定着し、27,8歳くらいでレギュラーとして活躍したA選手が、入団時からそういったキャリアプランを思い描いていたかといえば、答えは否であったと思います。

 A選手が27,8歳でレギュラーを掴んだという結果は、A選手が19歳のころから、明日こそは1軍、来年こそはレギュラーと信じて、血のにじむような練習をした結果だったはずです。A選手も松井やイチロー、今でいえば山田哲人や大谷のように若くして活躍したかったが、プロの壁は厚く、一軍に上がることも簡単ではなかった。しかし、意識としてはあくまで、松井やイチロー、山田や大谷と一緒。彼らと同じだけの志を抱き、同じだけの努力をした結果、彼らのようなスーパースターにはなれなかったが、なんとかプロで飯を食っていけるくらいの地点には着地できた。

 19歳のA選手が、最初から「僕は27,8歳でレギュラーになれればいいか・・・」という程度の志だったのでは、おそらく一軍の土すら踏むことはできなかったでしょう。

 私もA選手と同じように、サイト開設当初から、明日こそはこのサイトを大きくして有名になるんだという意気込みのもとで、ずっと執筆を続けていました。結果、その目標は叶わず、文学賞への応募というところに活動のメインをシフトすることになりましたが、今も当初の意気込みはまったく変わっていません。

 そう考えると、A選手のような意識のもとで生まれてしまった私と読者さんとのトラブルは、もうしょうがないことだったのかな、とも思います。明日こそデビュー、明日こそ有名になるという意識でやっていたからこそ、うまく数字が稼げなければ愚痴も漏れてしまう。それに読者さんがキレられ、出ていかれてしまうことがあるのも、すべては仕方のないことだったのではないか。

 サイトから去って行かれた読者さんに、「右肩上がりにうまくいくと思うのですか!」と叱咤されたこともありましたが、そもそもそういう意識でやっていないと成長もないし、結果も出てこないものだと思います。私が愚痴を言ったことで去って行った読者もいたのかもしれないが、専業作家となるという最終目標を叶え、何万、何十万の読者に私の本が読まれるようになれれば、それは実に些細なことであったと思えるはずです。

 必死の我慢、強い心で、「愚痴」を抑え込めばいいではないか!と言われるかもしれませんが、3年前の時点でそれができるような精神の持ち主なら、私は小説ではなく就職を目指していました。こういう性格も含めて私という人間なのであり、私は私なりにやっていけばいい。愚痴を吐かないのが偉いのではなく、愚痴を吐きながらだろうが、続けて、結果を出すのが偉いのである。当時の状況で続けるためには、「愚痴」がどうしても必要だった。

 野球選手の全盛期は、概ね27~32歳ごろと言われていますが、有名作家のデビュー時の年齢で一番多いのは、三十代です。二十代、四十代もいますが、私の見た感じでは、7割近くが三十代に集中している。これはけして偶然ではなく、作家に必要不可欠な資質である瑞々しい感性と言語能力を司る結晶性知能が、一番高いところでクロスオーバーする三十代という年齢が、作家のピークに一番近いのだと思います。

 私は現在29歳。「全盛期」はまだ先ともいえますが、それに胡坐をかいていたら、あっという間に年を食って、40の坂が見えてきてしまうことでしょう。私はこれからも、「右肩上がりに上るつもりで」書いていこうと思います。

 もう一つ、変わっていないのは、「執念深さ」という私の性格です。

 私の執念深さについては、「偽善の国のアリス」の方でも書かせていただきました。神山に対して執着するあまり、当時の人間関係をすべて台無しにしたことで、「津島は人間関係を大切にしていない」と激怒された読者さんもいらっしゃいましたが、今現在の職場においては、私は非常に良好な人間関係を築けていると自負しています。その理由は、以前の記事でも述べましたが、私が職場の人間関係に、まったく執着がないからです。

 人は執着がなければ楽に生きられる。人間関係の形成に大事なのは、思いの強さよりも、適切な距離感であると思います。「偽善アリス時代」においても、私は宿敵である神山以外の連中とはうまくやっていました。それも、私が彼らに執着がないため、適切な距離感を測れたからだったと思います。

 今にしてみれば、女に対しても、今の私だったら、また違った結果になっていたように思います。

 よくありがちな話ですが、ガッツキ過ぎていた部分があった。19歳から20代前半にかけて、私は異常ともいっていいほど女にモテませんでしたが、それはルックスやスキルよりも、あまりに切実に女を求めすぎていたせいだったのではないか。適度な自信がついて角が取れ、自然体で女と接することができるようになった今の私なら、あそこまで惨憺たる青春時代にはならなかったのではないか。少なくとも、単純に経験人数を増やしたいだけだったら、ガツガツしていない方が、何かと好都合のように思います。

 ただ、本当に一人の女と愛を極めたいというのなら、やはりある程度の「執着」は必要だと思います。世の中には神山のような、情緒というものがまったく欠落した、男を道具以上には考えない女も存在しますが、こっちが好きになればなるほど好きになってくれるという女も確実にいます。そういう女とは、よほど酷いやらかしさえなければ、「結婚」まで行くことになります。

 奥さんと付き合い始めた当時は、私もまだ経験不足から痛々しい部分が抜けておらず、別れを切り出されたこともあったのですが、そこで持ち前の執着心を発揮して食い下がったからこそ、ここまで来れた。

 そこそこのものを手に入れるためには、執着は邪魔になるのかもしれないが、本気で価値のある、欲しいものを手に入れたかったら、やはり本気で執着しないといけないのではないか。

 小説も同じこと。私は何がなんでも、文章で生活できるだけの金を稼ぎたかった。執着がなければ、ここまで続けていなかった。

 私が強く執着しているこのサイト上で、文章で金を稼ぎたいという私の執着に関わった人たちだから、しばしば強くぶつかり、ケンカになってしまった。私のまずい返信により、大切な読者を失ってしまったこともあったのかもしれないが、それも仕方のないことだったのかもしれない。

 津島は人間関係を大切にしていないと言われた読者さんは、私の物語を「塞翁が馬」などという言葉で片付けようとされましたが(その読者のことを何度も言い続けるのが、執念深さである)、それなら私はその読者さんに、「臥薪嘗胆」という言葉を送りたいと思います。

 なぜに負の感情を全否定するのか?コンプレックスやトラウマはバネとなって、人を成長させるものである。「彼女ができたな。あーよかったな」などと、いかにも「終わった人間」の発想で、人の物語を勝手に完結させないでいただきたい。

 今の時点では、損したことの方が多いかもしれませんが、いつか、私の念願が叶ったときは、「執着が強い性格でよかった」と、心から思えるはずです。そのときを信じて、精進するのみです。
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No title

作家のデビュー年齢は30代が一番多いのですね。
20代から書き始めて30代くらいに受賞するという感じなのですね。
作家の年齢はまちまちで集中している年代があるとは思っていませんでした。
やはり適齢というものがあるのですね。
物事を成し遂げるには執着心は必要だと思います。
継続する能力や頑固さも不可欠でしょうね。
難しいですが自分の中の執着する部分とガツガツしない部分のバランスを上手く取っていくことは重要ですね。

作家にも適齢期と言うか全盛期と言うのがあるのですね。
とは言うものの下積み時代なんか無しにいきなり売れるのが理想ですね。
野球選手でいえば清原みたいなデビューで黒田みたいな引退が理想ですね。
まぁ〜作家に引退はないだろうけど…
執着心は確かに大切かもしれませんが時と場合によりますね。
津島さんは才能があるから作家になる執着心は大事だと思いますが、才能が無いことに執着するのは時間の無駄ですから…
才能があるか無いか自分で見極めるのが難しいですが…
女に執着するのも下手をするとただのストーカーになってしまうおそれがあるので難しいですね。

No title

seaskyさん

 30代でのデビューが多いのは確実ですが、そこに至る道は人それぞれでしょうね。言ってることが本当かどうかもわかりませんが、下積み期間もほとんどなく、始めて1年とか2年でデビューしたという人もいるらしいです。

 ただそういう人は、もともと小説好きで、とにかく消化した冊数が多いという人です。私の場合、そこまで小説が好きというわけではなく、成功の手段として小説を選んだクチなので、とにかく書きまくるしかないんでしょう。

 野球の場合、きれいな成長曲線を描くのに比例して年俸や知名度も変わってくるものですが、実力が必要なのは最初だけで、あとは名前で商売できる小説の場合、デビュー時がピークであとは出がらしになるというパターンがほとんどなので、デビュー時=全盛期と思ってもほぼ問題ないと思います。私のそれがいつくるかはわかりませんね・・。

 バランスが確かに大事ですね。注ぎ込むときを見極めるというか。なんでも使い方次第ですよ。それがわかるようになるのが、人の成長だと思います。

No title

まっちゃんさん
 
 清原みたいなデビューで黒田みたいな引退がまったく理想ですね。ただ現実には、清原みたいに若くして贅沢の味を覚えちゃうと庶民感覚が狂っちゃうので、人生踏み外してしまうことになるようです。

 黒田も野球選手としては苦労人の部類に入るとはいえ、普通に比べれば恵まれてた方だろうに、ああいう幕の引き方ができるのは、運もありますが、相当に頭と勘と、そして人柄がいいんでしょうね。明らかにメジャーで20億の年俸ゲットするより得な決断しましたから。ああいうのは一般人にも参考になると思います。

 野球とかスポーツは数字でハッキリ出ますし、勉強も試験に受かるか受からないかがあるので、才能のあるなしを判断するのも容易ですが、芸術方面は見極めが難しいですよね。受け手側の感性にも影響されるところですし・・。

 ただ、まあ、辞めたところで他にやることもないなら、続けるしかないんじゃないかと思います。ただ遊んでるよりはマシでしょう。ボクシングみたいに身体を痛めるわけでもないし、誰に迷惑かけてるわけでもないですし。

 女もそれと一緒じゃないですかね。はっきりいって、とにかく動いてた私が、何もしない童貞野郎の関口に「自分の恋した女性の幸せを願うのが、男として正しい姿じゃないですか」とか説教されたのはまったく遺憾です。

 相手にとったら迷惑ということもありますが、まあ神山みたいな、こちらが何も悪いことはしてない段階で舐めたことしてくるゴミに迷惑かけたな、申し訳なかったなと反省する必要はないでしょう。あんな情性欠如者に執着したところで時間の無駄なのは確かですが、それを何とか無駄にしないために、小説の修行を始めた次第です。

数回ほどしかコメントしたことがないので、覚えておられるかわかりませんが、ちょくちょく覗いております。

主様の作品が世に出られるよう陰ながら応援しております。

No title

四間飛車さん

 読んでいただきありがとうございます。もう削除した記事の方だったと思いますがコメントいただいたことは覚えています。ありがとうございます。

 今回のコメントの方ですが、申し訳ありませんが最低3コメントのノルマについてはノーカンとさせていただきます(ほかの方がコメントされなくなってしまうかもしれないので)。

 他意はないのですが、やはり読んでいただいた上での感想というものがないと、なかなか書くエネルギーにはつながっていきません。ご了承いただけますよう、お願いいたします。

No title

津島さんって結婚したんですか?

No title

侍ジャパンさん

 しました。申し訳ありませんが、こちらノーカンとさせていただきます。ご了承いただけますよう、よろしくお願いします。

執着心は一長一短ですね。今良好な人間関係を築けているのは自分で自分の分析ができているからなんですね。全て納得する理由でなくとも奥さんとは上手くいって本当に良かったですね。機会があれば奥さんとの馴れ初めが読みたいですがエッセイ本までお預けですね。

No title

下積みが長くてもダメですが、下積みが無くてもどうかとは思いますね。
どんな世界でも下積み無しで脚光を浴びてしまうと後が苦労の連続になってしまう。野球選手でも期待をされてプロ入りしても結果が残せなかった選手が大勢いますし、それは他のプロスポーツや芸能界にも当てはまります。
そんな人間に多いのが「過剰なプライド」です。プライドが無いのは問題ですがプライドが高過ぎると執着し、「かつて自分はこれで売れたんだからもう一度・・・」とんどん自分を狭めてしまう。例えば甲子園球児のやたら過剰なマスコミの持ち上げ方は疑問に思います。

勿論売れるのは早い方が良いですが、20~30代とは言わず、自分の適齢期にあった売れ方が重要になると思います。

No title

かなえさん

 私もいろいろと欠陥の多い人間ですけど、こんな人間のすべてを受け止めてくれる人や生き物もちゃんといるんだから、世の中ってやっぱりすごいと思います。エッセイ書く機会があるとしたら犬本を出したいですね。私が八つ当たりしてもずっと仲良くしてくれた前の犬は本当に偉大だし、実家で飼ってる犬は本当に可愛い。

 ADHDのところで今は割り切っていると書きましたが、小さいころ私が餌をやり忘れて死なせてしまったハムスターや昆虫たちには申し訳ないとずっと思っています。

 神山が私に反省しろとか言ってきたことがありましたが(しつこくしたことを反省しろではなく、身分違いの私に恋をしたことを反省しろという、極めて身勝手な言い分)反省というのは、自分を悪人扱いしてきたゴミのためにするものではなく、自分の善を信じてくれた奥さんや動物たちのためにするものですよねぇ。

No title

GGIさん

 まぁデビューしたはいいもんの、後が続かずに消えていく作家も大勢いますからね。
 
 運もあるでしょうけど、結果的に自分が世に出られたときが一番ベストなタイミングだったと思うしかないでしょうね。私もかなり回り道があったのかもしれませんが、結果さえ出ればすべて無駄でなかったと言えると思います。

 文学賞は、それこそ何百、何千という応募者から勝ち残らなくてはいけません。選考委員の注目を集めるため――また、デビュー後も息の長い作家になるためには、絶対に他の誰にもマネできない個性を固めなくてはいけなかった。そのために、ここで私小説を書いたり、犯罪者の研究をしてきたことが、何らかの役には立っていると思います。 下積み時代にしかできないことも、きっとある。

 ただ、厄介なのはモチベーションの意地です。金になるかもわからん文章を書き続ける日々。いつポッキリ折れてもおかしくありません。さすがに40代までこれを続けるってなるとちょっと無理かなと思いますね・・・。
プロフィール

津島 博行

Author:津島 博行
1987年4月3日生 男性
相互リンク歓迎します。

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