犯罪者名鑑 佐世保小6女児殺害事件 2

無題じょーだん



 バスケットボール

 
 加害女児AがHPに趣味・特技として書いていたのが、「バスケットボール」と、「読書」でした。

 まず、バスケットボールについてですが、佐世保市では小学校のクラブ活動を、学校とは別に、区の自治体ごとに行っているのが特徴で、女児が通っていた大久保小学校の地域では、指導者に定年退職したボランティアを招き、毎日休みなしで、メニューに校庭100周が含まれる本格的な練習が行われており、対外試合でも優秀な成績を収めていました。

 Aはバスケットボール部の活動に大変熱心に取り組んでおり、HP上の日記にも、試合に勝利したことが誇らしげに記述されていました。しかし、Aは小学六年に上がるころ、成績不良を理由に、バスケットボールを父親の判断で辞めさせられてしまいます。実際には、Aの成績は「中の上」程度でしたが、父親はAに名門の公立中学校への受験を望んでいたのです。Aは酷く落ち込み、友達も心配して、Aの五年次の担任に「クラブを辞めさせられてしまうから、Aの成績を下げないで」とお願いしていたといいますが、結局、Aは部活動の継続を断念せざるを得ませんでした。

 Aが熱心に取り組んでいたクラブ活動を辞めさせたことについて、父親には批判的な意見が集中していますが、少し父親の視点に立ってみれば、まだ身体の出来ていない小学生に、毎日休みなし、校庭100周などという練習を課すのは、ちょっと常軌を逸しており、成績悪化への懸念も無理はないという考えもあります。もし、Aの所属していたミニバスケットクラブが、土日限定、せいぜい+平日二日程度の、小学生らしい日程での活動であったなら、Aがクラブを辞めさせられることはなかったのかもしれません。

 Aがバスケットボールを辞めさせられたことにより、攻撃衝動を発散する場を失ってしまったことを凶行の理由に挙げる人もいますが、その可能性に言及するなればこそ、フェアな見方は必要でしょう。


バトルロワイヤル


 
 小説
 
 バスケットボールとはある意味対極的な、読書の趣味。Aの場合は、書く方も行っていましたから、「小説」の趣味と言った方がいいでしょうか。

 読む方では、Aが強い影響を受けたとされる「バトル・ロワイヤル」のほか、「呪怨」などのホラーものなど、割りとハードな内容の作品を好んで読んでいたようですが、「恋空」など若い女の子向けの作品も読むなど、好みは幅広かったようです。

 書く方では、あのバトルロワイヤルを模した作品をHP上にUPしていたことが知られています。紙数の都合がありますのでここでは紹介しませんが、ある程度既存の作品のトレースがあったにしても、小学生にしてはよく書けている文章です。ごく稀に、私のように、一般就労が無理だと思ったからクリエイティブな道に進もうと思った、という人間もいますが、基本的に「創る」ということは、よほど好きでなくてはできないことです。小説というものが、Aの内面の大きな部分を占めていたのは間違いないでしょう。

 しかし、Aの犯罪に小説の悪影響があったとするのは、責任転嫁というものでしょう。

 そもそも我が国における娯楽作品とは、古くは平安時代の源氏物語に始まり、江戸時代にはお上の政治姿勢を暗に批判した歌舞伎が持てはやされ、さらに明治以降の近代文学の黎明期に繋がるまで、「鬱屈、性衝動、暴力衝動」といった、暗い方面のエネルギーを昇華させることで発展してきたものです。「みんな明るく元気になあ~れ」という趣旨の作品が持て囃されるようになってきたのは、歴史から見ればごくごく最近、ここ三、四十年のことに過ぎません。

 そうした文化の成立過程を無視して、過激な描写を規制したり、ハードな内容の作品を批判することは、「元は同じもの」であるプレステやパソコンを楽しみながら、「元々こっちが主目的」である弾道ミサイルなどのコンピュータ技術を駆使した軍事兵器を批判するようなもので、これを昔の作家が見たら「俺たちのやってきたことはなんやねん」と頭を抱えてしまうでしょう。

 確かに、昔の小説や演劇とは違い、近年の最新の映像技術を駆使したドラマやアニメは非常にリアルで、刺激が強く、人の感性に与える影響は大きいのかもしれません。しかし、原因の大きなところをそれに求めるのはやり過ぎではないでしょうか。ポルノ作品と同じで、下手に取り締まったら、発散する術をなくして、むしろ犯罪が増えそうな気もします。R指定は取りあえず必要かもしれませんが、焚書坑儒とか、出版禁止のようなことを考えるのは言語道断でしょう。

 この点に関しては、私は草薙厚子さんら識者の意見に異を唱えざるをえません。


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 一学年一クラス


 大久保小では児童数の問題もあり、一学年一クラス制による学級運営が行われていました。当然、クラス替えはありません。

 小学校、中学校におけるクラス替えは、昔は通知表の五段階評価を、クラスごとの相対評価で決めるため、成績の平均点を近くする、という明確な目的のもとに行われていましたが、絶対評価となった現在は、一般的に「学級の均一化」を目的に行われているようです。クラスの平均点が近くなることに加えて、50メートル走の平均タイムが近くなるように・・・問題児童の数が同じになるように・・・等、ありとあらゆる分野で、生徒の個性が偏らないようにしているのです。

 色々なタイプの子と交わることでコミュニケーション能力を育む、といえば聞こえはいいですが、ようはクラス間格差の解消と、問題学級出現の防止でしょう。

 成長著しい年齢の子供ですから、二年も経てば、クラスごとに学業や身体の発育に大きな差が出るのは当然です。その歪みが原因で学級運営に支障をきたすということも十分あり得ます。同じ学年の中で、軍隊のように規律の取れたクラスと、動物園みたいなクラスに分かれてしまったら、既存の人間関係をぶち壊して一度リセットするという作業はやはり必要でしょう。

 しかし大久保小では、一学年で一つしかクラスが存在しないため、一年生のときに編成されたクラスのまま六年生まで過ごすしかありませんでした。子供からすれば、大好きな友達と離ればなれにならずに済んで良かったかもしれませんが、やはりクラスの中での能力格差が顕著となり、また悪い人間関係も六年間持ち越されて溝が深刻になり、それらが子供の内面に悪影響を及ぼしていた可能性は考えられます。

 事実、Aの所属していたクラスは、教員や保護者から、「問題児童が多いクラス」と見られていました。
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No title

Aさんは好きな物事にはかなりのめり込む性格ですね。
外ではバスケットボールのハードな練習を行い内では小説を執筆していたのですからね。
こういう子には好きなことを伸び伸びとさせるのがいいと思っていますが両親の考えや家庭環境などで難しいのでしょうね。
学校によってクラス編成には違いがあるのは驚きでした。
1年から6年まで同じクラスというのは珍しいですね。
せめて2年毎に交代するのが望ましいと思ってしまいます。
仲の良い友達と違うクラスになることも必要だという気はしますね。
問題児クラスに所属していたことでその中で埋もれてしまいサインを見過ごしてしまう危険性はあるでしょうね。

No title

seaskyさん

 小6でここまで頑張れる子はそうそういないですよね。こういう子は夢中になれるものに、目いっぱいエネルギーを発散できる環境があれば全然違ったと思います。

 私を見ていればわかると思いますが、小説は読んでくれる人を探す作業もしないといけないんで大変ですから、やっぱり周りにすぐ評価してくれる人がいるバスケットボールが良かったんじゃないかという気がします。

 ただ父親が辞めさせたのもわからなくはないですけどね。中学生ですら毎日はやり過ぎだと思います。私もバスケット部でしたが、好きでやってるはずの部活で、休みが恋しくなるなんて異常ですよ。その点、ネバダちゃんは友達が辞めさせないでと懇願するほどクラブ活動に熱心だったなんて偉いと思いますよね。

 クラス替えに関してですが、私が変な思い込みしていたみたいで、やはり児童数の都合上一学年一クラスでした・・・。本当に申し訳ありません、修正しておきました。クラス替えの頻度に関しては地域で差があり、小学校ではどこも二年ごとが普通みたいですが、中学校では毎年派と二年進級時のみ派で結構分かれるみたいですね・・・。

この子といい、山地といい、小学校高学年は、
ある種の人間(アスペ疑惑有り)にとっては暗黒期になってしまうのだろうか?

自分は同年齢の人数が多い世代なので
進学や就職に不利という悪い面ばかり見ていた気がするが
年少の時は同年齢の人数が多い方が有利なこともあると今更気づいた
自分が小学校高学年の時出会ったいじめっ子とずっと同じクラスだったら
自殺者か犯罪者になって今の年齢まで生き残っていないだろう
といっても今となっては確かめようもないが
いじめっ子はおそらく自分のせいで田舎に転校したので
いじめっ子の親には少し感謝している
(引っ越しを決断してくれたという意味で)
この子はお受験の話があった時、お受験で嫌いな子から逃げようとは思わなかったのだろうか?
自分が小学校高学年だった昭和の終わり頃
私立中学に行ける金持ちの子が羨ましくてしょうがなかったのだが
(その3年後、金持ちの子が集まるとされる私立高校に進学するまで色々我慢した)

No title

MSKSさん

 事件があったのは5月のことでした。卒業まであと十か月、短いようで長い期間です。

 もしトラブルがピークに達したのが二学期の終わりとかであれば、卒業まで辛抱するって発想もあったかもしれません。人の人生はタイミングも大事ですよね・・。

小学校の評価は
できる、もう少し、がんばりましょう
の評価でした

父親は月のテストの平均点が90点を切ればバスケ中止みたいに伝えれば良かったのかと
バスケを続ける為にテストで結果を出せると思います

ネバダちゃんのバスケの実力は高かったのでしょうか?
スポーツ推薦で中学入試合格出来れば

バスケ中止が殺人動機なら父親を殺すかと

志望校受験に出席率や内申が関係無ければ小学校に行かずに受験勉強をすれば事件は起こらなかったと思います

不登校のお受験特化は地域性で認められなかったのでしょうか?

私の中学では1つ上の学年でバスケ部募集停止でした

中学時代の部活はトレーニングが嫌でした
今考えても長距離を走ったり、縄跳び、筋トレはあまり意味が無いような
実践は好きでした
体育館が1つしか無い中学だったからかも知れませんがイメージトレーニング等もできたと思います

小学校高学年の頃に放課後週1で体育館で部活?してましたがそれなりの結果を残せました
小学校区の大人と一緒の練習が良かったと思います

中学時代の部活は学校内女子エースだったのにも関わらず練習の欠席多め(虚弱体質の病欠)最終戦以外の全試合出場で最終戦は試合に出れず
実力主義にしてほしかった
走る意味もわからないし結果出す生徒は走る距離減らしてもいいような

部活の回数も自由出席率にすれば勉強もできるし上手くなりたければ毎日参加もできる
週1位で試合してレギュラー決めればいいような
バスケなら試合形式、フリースロー、毎回違う場所からのシュート成功率等

テレビドラマは面白く無く見る気がしない
小説も携帯小説以外読まなくなった
なぜハッピーエンドを望むのかわからない
明日ママがいないを見てたのですが視聴者のクレームで方針が変わってから見る気を無くした
嫌なら見なければいいだけ
絶歌も嫌なら買わなければいいだけ
買う人を悪く言う必要も無いと思う
なぜ同じ考えを人に求めるのか

一番はまったドラマは初代高校教師
ラストも赤い糸で繋がって心中
好きな人同士の幸せな終わり方と思った
生きて結婚が一般的なハッピーエンドだけど最期に一緒に死ねるのが幸せと思った
トゥルーエンド

殺人ドラマも昔のように犯人が捕まらないのがあった方がいい

No title

Nさん

 バスケを辞めさせられた当初こそ落ち込んでいたようですが、割りとすぐに持ち直してはいたようです。ただ見えないところでストレスは溜まっていたのかもしれません。6年生にもなると本音は隠すようになりますから。

 野球部の長距離走とか、競技に意味ないと思われる練習は結構ありますが、中学校の部活動は基礎体力養成も兼ねていますからね。グラウンドや体育館を交代で使わないといけない設備の問題もありますし、先生も四六時中見てられるわけじゃないから、「とりあえずこれやらせとけ」的な適当練習が出てくるのもやむを得ないかもしれません。ただ交代で体育館使わないといけない問題とかは、定休日をもっと増やせば解決すると思いますけどね。成長期に毎日練習はやり過ぎですよ。私のバスケット部でも、膝を痛める子が続出していました。絶対手ぇ抜いて効率落ちますし。

 私も度々指摘していることですが、倫理的に問題がある?作品で、作者や作品を叩くのは人の勝手ですけど、読んでいる人の人格まで攻撃するのは毒されすぎですよね。そういう押し付けこそ、倫理的に問題じゃないかと。

 





メディア等が人に与える影響についてはやはり「限定効果説」で当っていると思います。


極論、牛蒡で人をしばき殺す事件が起きても、誰も牛蒡が悪いとは言わないわけですが、メディアに事関しては、安直に責任を押し付けがちです。

それも、インテリ面した大人が平気でそういった事を口にするから、もうたまったもんじゃあいません。


第一、メディアを規制しきれるはずがないじゃないですか。だったら親が勝手に家庭で規制しろって話です。


っていう極めてシンプルなロジックを、どういうわけ理解しない輩が多くて不思議です。

No title

L,wさん

 鶏と卵をはき違えている人間は沢山いますね。議論自体が空しいことですが、範囲はせめて、テレビやインターネット上での放送だけに限定してほしいものです。自分で金を払って楽しむ類の娯楽作品にまで規制規制と騒ぐのは、あまりに独善的なことですし、私の出る幕も失くなってしまいますから・・。

 
プロフィール

津島 博行

Author:津島 博行
1987年4月3日生 男性
相互リンク歓迎します。

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